むくみ(浮腫)の治療ガイド

六味丸(ろくみがん)

六味丸(ろくみがん)の効能

六味丸は八味地黄丸(はちみじおうがん)から附子と桂枝をとって、小児用にした薬です。小児の夜尿症などに用いますが、小児に限らず体力中等度以下で、食欲があり、下痢などがないが、疲労倦怠、眼精疲労、足腰の痛みだるさ、寝汗、□渇、耳鳴り、頻尿または逆に多尿だったりする人に用います。頻尿、浮腫、夜尿症、眼精疲労、耳鳴りなどに応用します。


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適応される主な症状

  • 頻尿
  • 浮腫
  • 眼精疲労

配合生薬

配合生薬の効能

地黄(じおう)

地黄は漢方治療で、糖尿病に用いられる処方の一つ八味地黄丸(はちみじおうがん)の主構成生薬です。地黄にはその調製法により鮮地黄(せんじおう)、乾地黄(かんじおう)、熟地黄(じゅくじおう)があります。

乾地黄には熱を冷ます作用と血糖降下作用がありますが、虚弱体質の方には不向きです。乾地黄の血糖降下作用はイリドイド配糖体のレーマンノサイド類によるものです、その他、乾地黄エキスには血圧を下げる作用が認められています。

鮮地黄には止血や通経作用があり、熟地黄エキスには血液増加作用や強壮効果があります。

山茱萸(さんしゅゆ)

山茱萸は補腎、強壮、疲労回復薬として、脾胃を温め、寒、温による疼痛、知覚麻痺、冷えなどの症状を除き、腰や膝を温め、尿利をよくし、老人の頻尿を抑え、耳なり、頭痛を治す。

これらの裏付けとして、タンニン類(テリマグランジンⅠⅡなど)の抗酸化作用による脂質過酸化抑制、脂肪分解阻害作用、スーパーオキシドラジカル除去作用が確認されている他、抗腫瘍、抗ウイルス作用も報告されています。

また、山茱萸エキスに血糖降下作用、抗アレルギー作用、免疫活性作用、肝機能障害の改善作用などが報告されています。

山薬(さんやく)

山薬は補剤として応用範囲が広く、特に脾臓や胃の虚弱を補い、食欲不振や疲労に滋養強壮、強精薬として、用いられます。でんぷんや消化酵素も多く含まれ、とろろ汁として食用しても効果があり、慢性の下痢にも良いので、まさに医食同源を代表する生薬の一です。

水性エキスに男性ホルモン増強作用が認められ、ステロイドサポニンが関与していると推測されています。

漢方では糖尿病治療薬として処方される八味地黄丸(はちみじおうがん)などに配合されていますが、山薬に含まれる多糖類や糖タンパクが有効成分と思われ、動物実験でも血糖降下作用が報告されています。

沢瀉(たくしゃ)

沢瀉には尿毒症の改善、肝脂肪の蓄積抑制、利尿作用などが認められています。

これらにはトリテルペンのアリソールB、およびそれらのモノアセタートが関与しています。また、これらは血中のコレステロール低下作用を示すことが動物実験で確認されています。また免疫活性作用は含有多糖類による効果です。

漢方では利尿薬や尿路疾患用薬、鎮暈薬(ちんうんやく:乗物酔い防止薬)などに処方されます。

茯苓(ぶくりょう)

茯苓には、利尿、強心、鎮痛、鎮静作用があります。漢方処方では利尿剤、利水剤、心悸亢進、胃内停水、浮腫、筋肉の痙攣などに茯苓を配合しています。

秩苓とは漢名で、植物名をマツホドと呼び、松の根に寄生するサルノコシカケ科の菌核です。秩苓は菌核に多糖類のβパヒマンを、それにテルペノイドやエルゴステロールなどの成分を含んでいます。

最近の報告では多糖類のパヒマンから誘導されたパヒマランに、細胞性免疫賦活作用が認められています。サルノコシカケ科に共通の抗腫瘍作用とともに、今後の研究が期待されています。

茯苓は民間薬としては使われず、まれに利尿を目的に煎液を飲む程度です。漢方でも配合薬としては汎用されますが、単独では用いません。

牡丹皮(ぼたんぴ)

牡丹皮は鎮静、鎮痛、消炎作用があり、漢方で血行不順に関係する婦人病薬として、芍薬とならんで多用されますが、単独で用いられることなく、駆お血(血の流れの改善)処方に配合されます。

主成分は、フェノール類のペオノールやモノテルペノイド配糖体のペオニフロリンなどで、いずれも鎮痛、鎮静作用が認められています。ペオニフロリンにはまた、大腸薗、ブドウ状球薗、連鎖状球菌などに対して増殖抑制作用があります。その他タンニンを多く含みます。

牡丹皮は体質的には体力があり、便秘がちな人に適用されます。

漢方薬の使用上の注意

漢方薬の副作用


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むくみ(浮腫)に処方される漢方薬

実証

中間証

虚証

漢方薬は、自分の証に合ったものをお選び下さい。

「証」とは体力、体質、症状などから患者さんの状態を総合的に観察した診断結果のことです。

  • 実証は生理機能が高まった状態を意味して、外見は健康そうに見えます。
  • 虚証は体力がなく、生理機能が衰え、抵抗力も低下した状態を意味します。
  • 中間証は実証または虚証のどちらも偏らず、それぞれの特徴を半分ずつもつ場合を意味します。

「証」の判定は証の自己判定テストご利用ください。


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